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プロジェクトに密着

01 密着!プラントメンテナンス/プロジェクトを率いるという責任の重さを自覚したとき、プラントエンジニアとしての確かな成長が始まる。

第2事業部 川崎事業所所属
白石 貢 (1993年入社 工学部化学工学科卒)

Profile入社当初は本社の技術開発部門に配属され、材料・溶接技術を担当。99年にプラントメンテナンスを担う施工・管理部門に異動してからは、さまざまなプラントで経験を積み、2011年に事務所長に就任。担当工場内のメンテナンス業務全体を統括するという重責を担っている。

SCENE1重圧プロジェクトの“司令塔”としての大きな責任に直面

「これは、思っていた以上に大変だ・・・」今を遡ること7年前の夏の日、白石は担当プロジェクトの工程表を作成しながら、思わず呟いた。石油工場におけるボイラー施設の定期修理工事という、中規模程度のプロジェクトだが、白石にとっては初めて工事責任者を務める案件だけに、戸惑うのも無理はなかった。

施工・管理部門に配属されて以来、白石は日常的な保全工事を皮切りに、配管工事や各種機器の点検・補修、さらには検査と、プロジェクトを構成する個別パートの監督として、4年にわたって経験を積み重ねてきた。そうした日々のなかで「いつかは工事責任者として、プロジェクト全体を監督してみたい・・・」と思ってはいたものの、いざ担ってみると、その厳しさは想像以上だった。

工事責任者とは、いわばプロジェクトの“司令塔”。それまで経験してきた監督業務とは、把握すべき領域の広さはもちろん、必要とされる知識やノウハウ、そして背負う責任も比較にならなかった。何しろ、大規模なものだと協力会社を含めて千名以上に及ぶスタッフが、自らの立案した計画によって動くのだ。「万一、計画に不備があったら、どれほどの影響が・・・」慣れない業務と格闘しながら、白石はそうした重圧とも戦っていた。

メンテナンスプロジェクト体制略図

メンテナンスプロジェクト体制略図

メンテナンスプロジェクトは、各パートの実作業を担うスタッフを、それぞれの担当監督が管理し、全体を工事責任者が統括するという体制で実施される。専門性や組織の異なる多様なスタッフによる“混成部隊”だけに、工事責任者には確かな統率力が求められる。なお、「機器」には塔槽類や熱交換機など動力部のない「静機器」と、ポンプやコンプレッサーなど動力を持つ「動機器」に分類され、プロジェクトの規模によっては、機器の種類ごとにそれぞれ担当監督を置く場合もある。

SCENE2挑戦人、モノ、コスト、そして時間のトータル管理を担う

工事責任者の役割は、プロジェクトに関わる人、モノ、コスト、時間、さらには安全・品質などをトータルに管理すること。まずは実際の工事に先立ち、これらすべてについて計画化し、必要な書類にまとめて客先や所轄官庁の了承を得ていくことが、白石に課せられた仕事だ。

こうした事前準備は、工事がスタートする数カ月前から始まる。というのも、一定規模のメンテナンス工事を実施するには、プラントを停止させる必要がある。当然ながら、停止中は生産活動がストップするため、客先の事業への影響も少なくない。それゆえ、客先担当者と協議や折衝を重ねつつ、スケジュールを調整する必要があるのだ。

特に近年では、企業間の競争が激しくなるなか、「停止期間をできるだけ短くしたい」といった要望が高まっている。そうした要望に応える効率的な工事計画を立案できるかどうかが、メンテナンスエンジニアの腕の見せ所。難しい課題を与えられるほど、自らの手で解決したいと意欲が湧いてくるのがエンジニアというものだ。「いつまでも不安がってはいられない」こうして、白石の苦闘の日々が始まった。

PCに向かってデスクワーク

より効率的なメンテナンス計画を立案するため、知恵を絞る日々が続く。

プロジェクトのトータルプランニング

  • 人(スタッフ)
    計画内容:組織計画(監督の人選、協力会社の選定)、動員計画、社内他部門への応援要請
    作成書類:工事組織表
  • モノ(プラント)
    計画内容:工事計画(メンテナンス項目および工事内容のリストアップ、工事手順の策定)、(新規設備が必要な場合は)設計依頼
    作成書類:工事施工要領書、工事仕様書、設計図
  • コスト(原価)
    計画内容:資材調達計画、協力会社への見積依頼、動員計画および工程計画に基づく人日計算
    作成書類:原価表、見積書
  • 時間(スケジュール)
    計画内容:工程計画および詳細スケジューリング
    作成書類:工事手順書、工程表
  • 安全
    計画内容:安全管理方針の策定、教育訓練計画
  • 品質
    計画内容:検査計画、施工管理計画
    作成書類:検査要領書、テストシート

SCENE3成長周囲との積極的なコミュニケーションが成功のカギ

計画立案に当たっては、機器工事や配管工事など、プロジェクトを構成するすべてのパートについて、必要な工程や要員、作業日数などを把握する必要がある。とはいえ、一口にメンテナンスと言っても、その内容は多種多様であり、プラントによって少しずつ異なるもの。いかに経験を積んだとしても、あらゆるケースを網羅するのは不可能と言える。そこで大切なのが、未経験な工事内容については、先輩、後輩を問わず、経験者に積極的に教えを請うという姿勢だ。
幸い、新興プランテックには組織や役職を超えて、互いに助け合い、学び合う風土がある。周囲のバックアップを得ながら、白石は一つひとつの工程について、現場での作業の流れを頭に描きつつ、具体的な計画に落とし込んでいった。
そうした業務のなかで、白石は会社全体が長きにわたって蓄積してきた膨大なノウハウが、自らの血肉となっていくことを実感するのだった。

屋内での打合せ

大規模プロジェクトを動かす上で必要なのは、知識やノウハウよりも、むしろコミュニケーション力。一人の力でできることには限界があるが、周囲を巻き込むことで、大規模な案件も成功に導くことができるのだ。

SCENE4切迫安全・確実な工事を実現するのが現場責任者の使命

やがて秋を迎える頃には、白石の苦労の甲斐あって、予定通りに工事をスタートさせることができた。スケジュール通りにいけば、完工まで約2カ月。以前に実施した同様の工事と比べて半月も工期を短縮できており、初めてのプロジェクトにしては上々の計画だ—そう白石は自負していた。
よく「段取り8割」と言われるように、工事責任者の業務のメインは計画段階にあるが、まだ2割が残っている。実際に工事がスタートしてからは、いわゆる現場監督として、各工程がスケジュール通り、安全に、適切に進んでいるかを管理するのが白石の仕事。日々、自分の目と足で各現場の作業状況を確認し、要所で必要な検査を実施していった。
当初は順調に進捗しているように見えたが、工事開始からが約1ヵ月経った頃、白石は異変に気付いた。大がかりな作業を要するボイラーの開放点検工程に、少しずつ遅れが生じてきているのだ。このままでは工事が予定通りに終わらず、客先の生産計画に影響を及ぼすことになる。それは工事責任者として、あってはならないことだった。予想外の事態に、白石は焦りを覚えた。

屋外での打合せ

工事段階では、プロジェクトメンバー一人ひとりに安全・迅速な施工を徹底させるのが工事責任者の役割。ここでも大切なのは、周囲とのコミュニケーションだ。専門や所属の異なる多数のスタッフと“目的意識”を共有し、いかに総力を結集させるか—工事責任者の力量が問われる。

SCENE5実感危機を乗り越え、完工まで責任を持つのが“プロフェッショナル”

「工事責任者失格だ!」と怒鳴られるのを覚悟で上司に報告した白石だが、返ってきたのは意外な言葉だった。「大切なのは、失敗をどう挽回するか、そして、そこから何を学ぶかだ」その言葉に、白石は己の甘さを知った。失敗したからといって、そこで仕事が終わりではない。失敗を乗り越え、工事を無事に終了させるまでが自分の責任だ。
「遅れを取り戻すには、早い方がいい」白石は即座に現場に戻ると、遅れの程度と原因を精査し、予定通りに完工するために必要な作業量を割り出した。その結果、問題の工程については、作業員の増員と作業時間の延長によって解決を図ることとした。もちろん、そのためには人員やコストの見直しと客先の承認が必要であり、計画変更した工程が軌道に乗るまで、白石に気の休まる時間はなかった。
迅速な対応の甲斐あって、プロジェクトは遅れを取り戻し、当初の予定通り、事故や負傷者を出すこともなく完工を迎えることができた。検収結果の確認と報告用のレポート作成に追われ、胸をなで下ろす余裕もなかった白石だが、メンテナンスのために停止していたプラントが再び稼働を始めたとき、はっと気付いた。「今、このプラントが無事に動いていることが、自分の仕事の成果なんだ・・・」そう気付いた白石の胸に、大きな満足感とともに、この仕事に就けた喜びがこみ上げてくるのだった。

プラントを見上げる

工事責任者が「責任」を負う要素は、安全、品質、コスト、スケジュールなど、多岐にわたる。いずれも大切なことだが、当社の工事責任者たちが特に重視しているのが“Safety First”という言葉の通り、安全を守ること。どれだけスピーディーな工事でも、安全性を置き去りにしていては、顧客から、そして社会からの信頼は獲得できないのだ。

SCENE6自覚自らが学んだ大切なことを、後進に受け継いでいく日々

月日は流れ、現在、白石は客先工場内に設置された事務所の所長として、大規模メンテナンスから日常的な保守・管理まで、工場内のすべての案件に責任を持つ立場にある。
かつての自分のような若手の工事責任者を監督するにあたって、白石は細かく口出しすることなく見守っている。なぜなら、白石が若手時代に学んだことを、後進にも気付かせたいと考えているからだ。それは、工事責任者として最も大切な「自分がこの工事に最後まで責任を持つ」という自覚に他ならない。そして、そうした姿勢があれば、キャリアに関係なく、“プロ”のプラントエンジニアとして、顧客や協力会社からも認められるはず—白石はそう考えている。
そんな白石の指導のもと、今日も現場では、若き工事責任者たちが奮闘している。彼らの成長を見守りつつ、より大きな視野でさまざまな案件を経験することで、白石もまた、彼らとともに成長を続けていくのだ。

図面上に置かれた書類やPC

工事責任者たちの努力と奮闘の日々は、工事記録という形で社内に蓄積される。それは先人たちの知恵と工夫の宝庫として、次代を担う若手エンジニアたちの糧となるのだ。

メンテナンス工事の短期化ニーズへの対応

本文中でも触れたように、近年では、プラント停止をともなう大規模メンテナンス工事をいかに短期化するかが、より厳しく問われるようになっている。工事が短縮できれば、それだけ生産活動への影響も軽減でき、メンテナンスコストの削減にもつながるからだ。

こうしたニーズに応えるために、新興プランテックでは顧客との密接なコミュニケーションのもと、ITを活用した工程の最適化をはじめ、作業の標準化や機械化による作業効率の改善など、安全性や確実性を維持しながら工期短縮を実現する工夫を凝らしている。

また、日常的な保守・管理の精度を高め、設備の寿命延長や安全性の向上に努めることで、大規模メンテナンス工事そのものの削減にも貢献している。 顧客にとっては喜ばしいことだが、その反面、当社の社員にとっては、大規模案件をする機会が減少していることを意味している。だからこそ、一つひとつの経験から、どれだけ多くのことを学び取るか、といった姿勢が問われるのだ。

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