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プロジェクトに密着

02 密着!プラントエンジニアリング 顧客の“夢”を具現化するプラントをゼロから創り上げていく――その喜びが、困難を乗り越える原動力となる。

ソリューション技術部所属
吉田 好伸(1994年入社 工学部化学工学科卒)

Profile入社3年目から4年半にわたって化学プラントメーカーに出向。企画や基本構想など、顧客とともに上流工程からプラント創出に携わる喜びを実感。その経験を買われ、本社復帰後は主に新規エンジニアリング案件を担う「新技術プロジェクト部」に配属される。

SCENE1意欲新たなプラントをゼロから生み出すプロジェクトに挑む

「是非、やらせてください!」上司であるプロジェクトリーダーから、新規プラント開発プロジェクトへの参画を打診された瞬間、吉田は思わず叫んでいた。現部署に配属されて以来、待ち望んでいた機会が、ようやく訪れたからだ。
東北地方A県の産業協同組合から発注されたそのプロジェクトは、ホタテ貝殻を原料とした路面凍結防止剤を作るためのプラント開発。「ホタテ貝殻の廃棄処理」と「塩素系の凍結防止剤による環境被害」という、2つの課題を同時に解決するために構想されたもので、社会的な貢献度も高い。そして何より、企画・構想段階というプラントエンジニアリングの最上流工程から携わるという点に、吉田は大きな魅力を感じていた。
というのも、それまで吉田が担当してきた案件は、顧客が定めた設備仕様を具体的な設計に落とし込むケースが中心。もちろん、そこにも自分なりに創意工夫を凝らすやりがいを感じていたものの、吉田が真に望んでいたのは、真っ白なキャンバスに自由に絵を描くような喜び—すなわち、新たなプラントをゼロから生み出していく経験に他ならなかった。

プロジェクトの背景と狙い

プロジェクトの背景と狙い

ホタテはA県を代表する特産品だが、廃棄される貝殻は年間約5万トンに上り、その処理が深刻な問題となっていた。また、降雪地域ゆえに、冬場は大量の路面凍結防止剤を散布するが、従来はコスト面から塩素系が主体となっており、周辺環境への影響が問題視されていた。これらの課題を解決するため、A県の研究機関が生み出したアイディアから、今回の構想が生まれた。

SCENE2難題世界のどこにもないプラントを創造するという苦難と喜び

廃棄物の有効活用と同時に地域の環境保全にも寄与し、加えて「環境に優しい凍結防止剤」として他県にも販売できれば、新たな地場産業の創出にもつながる—A県研究機関が生み出したこのアイディアは、まさに“一石三鳥”と言えるものだ。しかし、独走的なアイディアだけに前例がなく、事業化には高度なプラントエンジニアリング技術を要した。そこで、プラントの構想から実現までをトータルに、かつきめ細かく対応できるパートナーを探していたところ、当社に白羽の矢が立ったというわけだ。
以来、現在のプロジェクトリーダーである熟練エンジニアが、実験室でのデータ採取から、ベンチプラントでの最適フローの検討まで、客先と一体になって取り組んできた。受注から1年半を経て、いよいよ量産プラントの検討に取り掛かるにあたり、化学プラントでの豊富なエンジニアリング経験をもつ吉田の力が必要とされたのだ。
「現状のプロセスでは、品質や生産効率の安定性に課題がある。量産規模にスケールアップすると同時に、より安定したプロセスを構築するのが、君の仕事だ」プロジェクトリーダーの言葉は、待ち受ける道のりの険しさを物語っていたが、吉田の胸に不安はなかった。まだ誰も見たことがないプラントを、自らの手で創造していく—エンジニアとして待ち望んだ仕事が、そこにあったからだ。

応接室での顧客との打合せ

新たなプラントの創造は、顧客の「こんな製品をつくりたい」という“夢”を実現することでもある。顧客との対話を通じて、その“夢”を共有し、パートナーとしての信頼関係を築くことが、エンジニア業務の第一歩と言える。

新規プラント開発プロジェクトフロー

新規プラント開発プロジェクトフロー

SCENE3苦闘理想のプロセスを求めて試行錯誤を続ける日々

プロジェクトリーダーの言葉通り、実際のプラントへとスケールアップさせるにあたって、取り組むべき課題は山積みだった。
実験室やベンチスケールでの検討によって、処理プロセスそのものは確立されていた。しかし、プラントとして具現化するためには、「一度にどれだけの貝殻を投入すべきか」「どの程度の細かさに粉砕すれば良いか」「何℃まで加熱すれば安定した反応が得られるか」など、一つひとつの工程について、量、時間、温度、圧力など、さまざまな処理条件を検討し、最適解を求める必要があった。
社内はおろか、業界でも前例のない案件だけに、ともなく試行錯誤するほかなかった吉田だが、決して“行き当たりばったり”ではない。各分野のスペシャリストに相談したり、少しでも類似した事例を参考にしたりと、でき得る限りの知見を集約。これをベースに、自らの経験に基づく想像力を働かせることで、理想のプロセスへの最短距離をめざした。検討と試作、評価を繰り返しつつ、一歩ずつゴールへと近づいていく日々に、吉田は確かな充実感を覚えていた。

資料室で参考となる文献を探す

課題を解決するアイディアは、脳内から不意に湧き出てくるものではない。資料や文献に残された先人たちの創意工夫の軌跡を読み取り、そこかれ得られるヒントを、いかに目の前の課題に応用できるか—エンジニアとしての手腕が問われるところだ。

SCENE4信念「どんな課題も解決できる」という前向きな姿勢が、成功を導く

次第に理想のプロセスが見えてくるなか、吉田は設計部門とともに具体的な設備構想を検討。あわせて、構想の軸となる最適な機器を探し求めたが、そこでもまた、前例のない案件ゆえの苦闘が待っていた。取引のある機器メーカーや商社に相談するのはもちろん、Webサイトや専門誌などから最新情報を得て、「これなら使えるのでは」と見れば、未知のメーカーであろうと即座に問い合わせ、サンプルを持って訪問し、実験してもらう—こうした試行錯誤を幾度となく繰り返した。
なかでも苦労したのが造粒工程だった。自然由来だけに成分が均一でないため、市販の設備では思ったような粒状にならず、かといってオーダーメイドでは採算性が合わない。しかし、どれだけ厳しい状況でも希望を失わない“楽天的”とも言える前向きさが、エンジニアとしての吉田の強み。粘り強く情報収集を続けるなか、「韓国の機器メーカーが低コストで質の良い装置を扱っている」との情報を得た。早速、韓国に飛んだ吉田は、そこに探し求めていた理想の設備を見つけた。「また一歩、ゴールに近づいた!」手早く商談をまとめつつ、吉田は確かな手応えを実感するのだった。

スタッフを集めてのミーティング

プラントとは、化学、機械、配管、電気、建築・・・多種多様なノウハウを結集して初めて生み出せるもの。それゆえ、プラントエンジニアには、各分野の専門家の知恵を集め、融合させるという高度なコミュニケーション力が求められる。

SCENE5結実顧客と喜びを分かち合う瞬間

それから数ヵ月を経て、ついに理想のプロセスがカタチとなる。完成した量産プラントを見つめる吉田の表情には、言葉にならない感慨が浮かんでいたが、まだ仕事は終わっていない。完成したプラントから、製品が安定して量産できるようになって、はじめて役目を果たしたと言えるのだ。
吉田は自らの成果を確かめるように、プラントを試運転させ、各設備の稼働状況や連携に問題がないかを確認していった。同時に、実際にプラントの運営を担う客先のスタッフとともに、実際の品質や生産効率を確認しながら、操作方法や調整方法、トラブルが生じた際の対処法などを確立していった。
やがて、吉田や客先の開発担当者が見守るなか、客先スタッフによってプラントが稼働を開始。大量の貝殻が投入されると、数分後には白い粒状の製品が次々と生み出された。粒径の揃った製品を手に受け止めた吉田の手は、達成感に震えていた。そして、吉田の肩に置かれた開発担当者の手も、同様に震えていた。その瞬間、吉田はゼロからプラントを生み出した喜びとともに、顧客の“夢”を実現できたという喜びを、しっかりと噛み締めていた。

プラント内

プラントが完成しても、そこで仕事が終わりではない。客先のスタッフだけで無事に量産できるようになって、はじめて役割を終えたと言える。実際のプラント運用を担う客先スタッフたちともに、試運転しながら運用手法やノウハウを確立していく。

SCENE6成果培われたノウハウを糧として、新たな“夢”の実現へ

4年半の歳月を経て、無事に完成を見たこのプロジェクトは、当社にとって、基本計画から量産開始まで、一貫したプラントエンジニアリングサービスとしての大きな実績であり、新たな知見やノウハウを数多く得られた貴重な案件でもあった。
そしてもちろん、吉田にとっても、エンジニアとしてのキャリアを語る上で、欠かすことのできない経験となっている。個々の工程についての知見はもとより、未知なる案件に臨む心構えや、周囲の知恵を集める重要性、諦めないことの大切さ、顧客と達成感を共有する喜び—今回のプロジェクトから学んだことを活かして、また新たな難題に挑むこと、そして、後進たちに伝えていくことが、これからの吉田の使命だ。
実際、新入社員研修などで、代表的なエンジニアリング事例として語る機会も少なくない。そんなとき、吉田は目を輝かして話に聞き入る若きエンジニアの姿に、限りない可能性を感じ取るのだ。

プロジェクトを通じて残された資料は、エンジニアのキャリアにおける記念碑であると同時に、創意工夫の記録でもある。こうして蓄積された知見を、いかに全社共有の財産として有効活用していくか—そこに、プラントエンジニアリング企業としての競争力を高めるカギがある。

コラム事業を成長に導くためのトータルサポートを提供

構想段階からのプラントエンジニアリングでは、プラントだけでなく、そのプラントで運営される事業全体の構想についてのコンサルティングが求められる。なかでも重要なのが、事業としての採算性を見極めるための収支計画だ。
設備投資から維持・管理費、材料費まで、事業開始から運営に要するトータルな費用と、事業によって得られる収入とを比較し、初期投資の回収期間や、長期的な事業継続性を判断するには、豊富な経験をもつプロフェッショナルの知見が欠かせない。
今回のプロジェクトでも、当社は採算性を確保するためのさまざまな提案を実施。たとえば、凍結防止剤に加えて、各工程からの副産物も製品化して販売するよう提案し、事業としての収益性を高めた。また、初期費用を確保するために国からの交付金を得られるよう、書類申請などの支援も行った。
こうした多方面からのサポートが、事業を成功に導き、本当の意味での顧客満足につながっているのだ。

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